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第68回

日時 2024年4月25日(木)14:30~16:30
場所 りそなプライベートサロンReラグゼ
大阪府大阪市北区角田町8-1(大阪梅田ツインタワーズ・ノース24階)
講師 日本総合研究所
 安達英一郎
テーマ Z世代、彼らが日本の指導層になったときの社会は?

鷲尾所感

日本総合研究所の足達英一郎・常務理事のお話、大変興味深いものでした。

1997年~2012年に産まれた世代をZ世代というのだそうですが、最近の英エコノミスト誌の記事によると、この世代に属する人は世界で約20億人にも上るとのこと。米国と英国では、Z世代が人口の20%を占め、その割合は戦後のベビーブーマー世代のそれに匹敵するとのこと。

その彼らが、2050年には41才から53才になります。
その世代が育った環境は、その人たちの価値観形成を通じて、後々まで当該世代の生き様に影響を及ぼす。そんな前提で、今回のテーマ設定をしたわけですが、同じ世代と行っても、欧米諸国とグローバル・サウス諸国とでは、“育ち”の環境が違い過ぎるようです。

そんな中、とりわけ過去30年の日本は“失われた世界”にいた。だから、勃興する経済環境下にいた、例えば中国や、最近のインドなどで育った人々と、成長を知らない環境で育った日本のZ世代を比べるのも、正直、少し無理だったかなぁ、という感想も残ってしまいました。しかも日本の場合は、少子化のまっただ中にいる。だから、同じ世代を取り上げるにしても、我々の議論が必然的に“日本の場合”に限定されて行くのは仕方がなかったことかもしれません。

そうしたフレームの中で、足達さんの分析は、「未来社会を、ありそうな日本の未来」と、「あるかもしれない日本の未来」に2大別し、前者を「受け入れるしかない未来」、後者を「あって欲しくない未来」と言換えて、そんな中、若いZ世代はどういう選択をするだろうか、というアプローチを採られました。

しかもその際、若い人を「未婚」グループと「非婚」グループに分け、前者を「結婚したいけど未婚」、後者を「結婚したくない非婚」と分別し、その実態に迫る分析を紹介して下さいました。

多くの含意がそこから読み取れましたが、ここでは「未婚」の72%が「結婚したいが出来ていない層」、28%が「今はまだ結婚したくない層」だという数字だけを紹介しておきます。亦、社会との関連では、Z世代層の意識を、「やれば出来ると感じている層」と「やれる訳ないだろうと感じている層」に2大別。それに「問題意識の高い」、「問題意識の低い」尺度を組み合わせ、「日本のZ世代の政治に対する意識」が、どの程度かも、紹介してくださいました。結論だけ記すと、「やれば出来ると考え、且つ高い問題意識を持った層」がZ世代全体の約35%、これに対し「問題意識は高いが、やれるとは思っていない、或る意味での無力派」と「自分に自信はあるが、そもそも問題意識を持っていない層」、それに「自分に自信も、そして問題意識も高くない層」、この3者の合計が約65%あった由。

この35%対65%の比率、Z世代特有なのか、或は我が属する戦後のベビーブーマー世代もそうだったのか・・・。

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