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第69回

日時 2024年5月31日(金)17:00~19:00
場所 ホテル阪急インターナショナル
大阪市北区茶屋町19-19
講師 第76・77代衆議院議長
 大島理森
テーマ 日本の政治状況を語る

鷲尾所感

大島理森先先生(元衆議院議長)のお話、これまでの豊富な議員生活に加え、お人柄をうかがわせる誠実な話しぶりで、極めて内容の濃いものになりました。

海部内閣から現在の岸田内閣に至る、主要政党の主な変遷。
その流れの中で、何度かに渡り浮上してきた政治改革の動き・・・。
そうした中での政党間の合従連衡(自社さ連立政権→自公保連立政権→それに今回は維新が加わるか否か・・・)。
亦、折々に取り上げられてきた数々の課題(阪神淡路大震災、金融国会、郵政解散、リーマンショック、安保法改正、皇室典範特例法、新型コロナ、そして現在の裏金問題等々)・・・。

そうした動きへの対処に際し、大島先生は常に国会実務の中心に座を占めておられた。 故に、話の内容も、奥深さを秘めた丁寧な解説が加わって、政治の門外漢を自負する我々にも大変興味深く響きました。結果、今回の会合、大島先生をお招きすることに拘った、主宰者冥利に尽きるものになりました。

先生ご自身の政治に対する考えにも興味を牽かれました。 曰く、「自分自身、政治の理想は、米国のリンカーン大統領が唱えたGov of the people, for the people, by the peopleだと思っていたが、日本の政治はそうならなかった」とか、「2023年のOECD調査によると、中央政府に対する国民の信頼度は、日本の場合、【非情に信頼している】・【ある程度信頼している】との回答が、24.0%で、OECD加盟国中で最も低いとのショッキングな結果となった(OECD全体平均は41.4%)」等々。

出席した会員・会友からも多彩な質問が続出しました。
「皇室典範の改訂可能性」、「政治家の資質」、「岸田総理続投は・・・」、「上記OECD調査では中央政府への信頼感が48.8%だったのに、日本は24.0%だった。この違いの理由は・・・」、「民主主義の選挙はお金がかかる・・・、処がお金をかけない選挙が理想だ、と社会は信じ込んでいる。この狭間にあって、最も順法精神を発揮しなければならない政治家が裏金活動をやっていた。何処に民主主義の救いがあるのか・・・」、「民主主義には党派が必要、問題はそうした党派間の切磋琢磨がないこと・・・」、「直近の定額減税は、税の公平負担の原則から外れているのでは・・・」、「選挙に際し、各党の間での選挙協力の話しがよく出てくるが、政策を競うべき選挙にあって、選挙協力は、本来、あるべきではないのではないか」云々・・・。

大人が真剣に本音を問い質し合う、良い議論が出来たと思いました。

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