日時 | 2024年7月17日(水)17:30~19:30 |
---|---|
場所 |
ホテル阪急インターナショナル 大阪市北区茶屋町19-19 |
講師 | 衆議院議員、日本維新の会代表 馬場 伸幸様 |
テーマ | 「野党から観た自民党政治」 |
鷲尾所感
第71回、関西アジア倶楽部、日本維新の会代表、馬場伸幸衆議院議員との会合、如何でしたか…。
事前の、新聞などの報道で印象づけられていた、私の馬場代表へのイメージは、攻撃的な、或は、もっと喧嘩早い、そんなタイプの方かと、勝手な想定をしていましたが、実際に議論させていただくと、気配りに意を払う、話しやすい方でした。
これをカモフラージュと見る意見もあるようですが、私にはそうは思えず、ご自分の役割を、「全体への目配りが私の仕事」といわれた言葉に、同代表の基本姿勢が伺えた感を強くしました。
馬場代表は、嘗て中山太郎元外務大臣の秘書をされていたとか…。そんな経歴が、「全体への目配り」という言葉の素地ともなっているのではないか…。だから、全体が良く分かる。
そう観ると、維新の勢いが今、嘗て程ではない。だから、このままでは先行きの展望も立たない。そう考えておられるのではと…、浅学の小生は想像してしまいました。だから、直近、自民党に対しても、色々と働きかけを始めたと…。
しかし、こうした動きは、維新創設の幹部達からは、必ずしも好意的に見られていないのではないか…。
当然かもしれません。身を切る改革と、そんな覚悟で積み重ねてきた実績…。今後もそういう政党でありたいと思っている方々にとっては、馬場代表の路線は権力にすり寄っているように映っているのでは…。
言換えると、維新の将来展望に関して、内部で意見が違い始めている。そんな印象を、私としては、勝手に感じた次第です。勿論、こんな憶測には、何の具体的な裏付けもありませんが…。
出席者との質疑の中で、馬場代表が強調されていたのが、直近の課題として、子供への投資が如何に重要であるかということ。「全ての教育を無償化」することが大方針だとか・・・。
更に、日本社会のSafety- Netの再構築も、先手必勝でやっていかねばならないと…。
もっとも、そうした指針に対し、小生が残念に思ったのは、それら改革の方向性の基礎に、「将来の日本社会が、放っておくとどうなってしまい、それを維新の改革が実行に移された暁には、どう事態が改善されるか」、その辺の、前提となる将来社会予想と、将来社会へのビジョンが、今一明確ではない点でした。
そこで亦、思い出したのが、私が初めて米国に駐在していた1980年代初頭、時の大統領レーガンが年頭一般教書演説の中で言い放った言葉、「ビジョンなくして栄えた国はない」でした。
そういえば、今の日本、将来に向けた経済計画や、社会福祉計画などはあるようですが、社会全体の将来に関してのビジョンは未だないのではないか…。失われた30年、更にそこからの脱却を指向している現在、社会・労働・親子関係・人間関係等々、社会各側面の価値観が大きく変貌を余技なくされています。
日本社会が誇っていた安心・安全も、何時とはなしに、死語になりつつある。情報化社会といいながら、氾濫する情報を使いこなすだけの教養も、訓練も不十分等々…。
恐らく、日本全体の“知と質”が劣化してしまっている…。
©一般社団法人 関西アジア倶楽部