開催実績

第76回

日時 2025年1月23日(木)14:30~16:30
場所 りそなプライベートサロンReラグゼ
大阪府大阪市北区角田町8-1(大阪梅田ツインタワーズ・ノース24階)
講師 慶應義塾大学名誉教授、国際大学大学院教授
 田所昌幸
テーマ 2025年の国際政治をどう読めばいいか

鷲尾所感

2025年1月23日(木曜)の、第76回、関西アジア俱楽部如何でしたか。

「国際情勢の混迷に歯止めがかからない」。トランプ大統領の誕生直後の、我が俱楽部の定期会合で、田所昌幸国際大学院大学特任教授(慶応大学名誉教授)はそう仰いました。

米国主導の国際秩序が弱体化し、それと共に、当の米国自身が“ある種の挫折感”に苛まれている。そうした気分は、当然に米国社会の中に「自国だけが世界秩序の維持コストを負わされている」との被害者意識を生み、それがトランプ大統領の“米国第一主義”に結実し、今や米国の対外姿勢は、「自国にとって得か、損か」によって、基本方向が決められる有様。

これまで米国主導の国際秩序に不満を持っているロシアや中国は、そんな米国の弱体化を基本的には好んでいるのだろうが、かといって米国の肩代わりをする意思も能力もない中、現実の世界政治は、力の拮抗の時代に先祖返りする可能性が大きくなている。それでは我が日本はどうすれば良いのか?

そんな憂鬱な気持ちになった、今回の会合でした。

歳取った我が感覚は、いつの間にか固定化して柔軟性を失い、新しい事態への対応に困難を覚えてしまう。かといって、「これからは若い人たちの時代だ」と口走って、自らは隠遁を決め込む度胸も決断力もない。そんな自分を見つめながら、少なくとも現状を理解し、考える習慣だけはなくしたくないと、改めて思い至った今回会合でした。

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